Chi vuol la zingarella
ジプシー娘に御用は

< オペラのアリア

写真

『Chi vuol la zingarella ジプシー娘に御用は』は1789年に初演されたジョヴァンニ・パイジエッロのオペラ『I zingari in fiera 市場のジプシーたち』の中のアリアです。
残念ながら今ではこのオペラが上演されることは殆どありませんが、アリア『ジプシー娘に御用は』だけが今でも演奏されています。

オペラ『市場のジプシーたち』

ジプシーのリーダーであり魅力的で聡明なルクレツィアは、兄バルバドーロと仲間のジプシー達と共に、イタリア中部のアドリア海沿岸の都市アンコーナ近くの街にやって来ます。
この街に住む意地悪な金持ちパンドルフォの女中ステッリダウラと、20年前に消息が分からなくなった姪を探す貧乏貴族エレウテーリオの恋を軸に、ルクレツィアと仲間のジプシー達が騒動を巻き起こす物語です。

アリア『ジプシー娘に御用は』

第一幕、ルクレツィアがジプシーの群れと楽しく過ごしているところに、女中のステッリダウラが籠を持って食料を買いに来ます。
アリアは、美しく魅力的なジプシー娘のルクレツィアが、女性、若い男性、そして年配の恋人など、様々な人々の心を巧みに掴む場面を描いています。
「Chi vuol la zingarella?」という問いかけは、その美しさと機知で様々な人々を魅了する、神秘的なジプシーの女性の欲望と、そして時代を超えた魅力を表現しています。

作曲

作曲者は古典派時代のイタリアの作曲家ジョヴァンニ・パイジエッロ(Giovanni Paisiello, 1740–1816)です。
1700年代後半に最も人気のあるオペラ作曲家で、知られる限りで94曲のオペラを残し、そのオペラ様式はモーツァルトやロッシーニにも影響を与えました。

台本

台本はイタリアの台本作家であったジュゼッペ・パロンバ(Giuseppe Palomba, 1765–1825)により書かれました。
彼は300以上の台本を書き、当時の著名なオペラ作曲家たちに提供されました。

歌詞(イタリア語)

Chi vuol la zingarella
Graziosa accorta e bella?
Signori, eccola qua.
Signori, eccola qua.

Le donne sul balcone
So bene indovinar.
I giovani al cantone
So meglio stuzzicar.

A vecchi innamorati
Scaldar fo le cervella.

管理人コメント

明るくて魅力的なアリアです。
媚びるのではなく、自分の魅力をみせて相手の心を引き寄せる、とても素敵なアリアです。

YouTube 動画

Guðrún, Eyjólfur の演奏です。