Cielo e mar
空と海

< オペラのアリア

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『Cielo e mar 空と海』は1876年に初演されたアミルカーレ・ポンキエッリのオペラ『La Gioconda ジョコンダ』の中のアリアです。

オペラ『ジョコンダ』

17世紀のベネツィアを舞台に、歌姫ジョコンダと彼女の盲目の母親、追放された公爵エンツォ、司法長官のアルヴィーゼと妻のラウラ、アルヴィーゼの密偵で歌手のバルナバを中心として話が進みます。
ジョコンダが恋するエンツォはかつてラウラの恋人であり、彼は愛するラウラを連れて駆け落ちするために、船頭の姿をして戻ってきたのです。

アリア『空と海』

第二幕 エンツォの船の甲板、自ら見張りをすると言って水夫たちを休ませ、エンツォが一人甲板に残ります。
共に逃げだすためにラウラの到着を待ちながら、彼女への愛を歌います。

作曲

作曲者はイタリアのオペラ作曲家アミルカーレ・ポンキエッリ(Amilcare Ponchielli, 1834–1886)です。
彼の代表作がオペラ『ジョコンダ』です。

台本

台本はイタリアの台本作家、作曲家、詩人、評論家のアリーゴ・ボーイト(Arrigo Boito, 本名:Enrico Giuseppe Giovanni Boito, 1842–1918)により書かれました。

歌詞(イタリア語)

Cielo e mar! L'etereo velo
splende come un santo altar.
L'angilo mio verra dal cielo?
L'angilo mio verra dal mare?
Qui l'attendo; ardente spira
oggi il vento dell'amor.
Ah! Quell'uom che vi sospira
vi conquide, o sogni d'or!
Nell'aura fonda
non appar nè suol nd monte.
L'orizzonte bacia l'onda!
L'onda bacia l'orizzonte!
Qui nell'ombra, ov'io mi giacio
coll'anelito del cor,
Vieni, o donna, vieni al bacio
della vita e dell'amor ...
Ah! Vien!

日本語訳

空と海! 天空の帳が
聖なる祭壇のように輝いている
私の天使は空から来るのか?
私の天使は海から来るのか?
私はここで待っている
今日、愛の風は燃えるように吹いている
ああ、貴女を待ち望む者が
貴女を勝ち取る、黄金の夢よ!
深い大気の中に
陸地も山も見えない
水平線が波に口づけする!
波が水平線に口づけする!
この暗がりの中で
私は喘ぎながら横たわっている
ここに来て、私の愛しい人
命と愛の口づけのために来て
ああ! ここに来て!

管理人コメント

いかにもテノールっていう感じの素敵なアリアです。
この先の悲劇の予感はなく、ひたすらに恋人が現れるのを待っているんですね。
愛する心を表現した名曲です。

YouTube 動画

Marius Brenciu の演奏です。