Condotta ell'era in ceppi
重い鎖につながれて

< オペラのアリア

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概要

『Condotta ell'era in ceppi 重い鎖につながれて』は1853年に初演されたジュゼッペ・ヴェルディのオペラ『Il Trovatore イル・トロヴァトーレ』の中のアリアです。
オペラ『イル・トロヴァトーレ』のタイトルである「トロヴァトーレ」とは、南フランスの宮廷から現れた吟遊詩人たちの事です。

オペラ『イル・トロヴァトーレ』

かつて先代のルナ伯爵が二人の息子のうち弟の方を魔法で操ったとして、ジプシーの女を火あぶりの刑に処しますが、この火刑の灰の中から子供の骨が見つかり、そして伯爵の下の子供の行方が分からなくなりました。
物語りは成長した現ルナ伯爵とジプシーの女の娘アズチェーナ、そして謎の吟遊詩人と彼に恋する侍女のレオノーラを中心に進みます。

アリア『重い鎖につながれて』

第二幕、アズチェーナが息子の吟遊詩人マンリーコに、火刑の凄惨な光景と、取り違えられて炎に投げ込まれた子供の事を語ります。

作曲

作曲者はイタリアの作曲家、ジュゼッペ・ヴェルディ(Giuseppe Fortunino Francesco Verdi, 1813–1901)です。
ヴェルディはオペラ王の異名を持ち、『ナブッコ』『リゴレット』『椿姫』『アイーダ』などの名作を残しています。

台本

台本はイタリアの台本作家で劇作家のサルヴァドーレ・カマラーノ(Salvadore Cammarano, 1801–1852)により書かれましたが、サルヴァドーレ・カマラーノは台本の完成に至らず他界したため、その後をイタリアの詩人のレオーネ・エマヌエーレ・バルダーレ(Leone Emanuele Bardare, 1820–1874)が引き継いで完成させました。

歌詞(イタリア語)

Condotta ell' era in ceppi al suo destin tremendo!
Col figlio sulle braccia, io la seguía piangendo.
Infino ad essa un varco tentai, ma invano, aprirmi...
Inven tentò la misera fremarsi e benedirmi!
Chè, fra bestemmie oscene, pungendola coi ferri,
al rogo la cacciavano gli scellerati sgherri!
Allor, con tronco accento: Mi vendica! esclamò.
Quel detto un' eco eterna in questo cor lasciò.

Il figlio giunsi a rapir del Conte:
lo trascinai qui meco...
Le fiamme ardea già pronte.

Ei distruggeasi in pianto...
Io mi sentiva il core dilaniato, infranto!...
Quand' ecco agli egri spiriti, come in sogno, apparve
la vision ferale di spaventose larve!
Gli sgerri ed il supplizio!...La madre smorta in volto...
Scalza, discinta!...il grido, il noto grido ascolto...
Mi vendica!...La mano convulsa tendo...stringo
la vittima...nel foco la traggo, la sospingo...
Cessa il fatal delirio... L' orrida scena fugge...
La fiamma sol divampa, e la sua preda strugge!
Pur volgo intorno il guardo e innanzi a me vegg' io
Dell' empio Conte il figlio...
Il figlio mio,
mio figlio avea bruciato!
Sul capo mio le chiome
sento rizzarsi ancor!

日本語訳

縛られた女は、その恐ろしい運命へと連れていかれた!
息子を腕に抱いて、私は泣きながらその後を追った
懸命に彼女に近付こうとしたが、それも無駄だった・・・
哀れな女は私を見つけると、立ち止まって祈りを捧げようとした!
卑猥な罵倒をあびせては鉄棍で突き
悪人の手下どもが彼女を薪の山へと追い立てた!
その時に彼女は張り裂けんばかりに「復讐して!」と叫んだ
その言葉は、私の心に永遠のこだまとなって残った

私は伯爵の息子を誘拐しに来た
私と一緒に彼を連れていた
炎は急かすように燃えていた

その子は涙に暮れていた・・・
私の心がずたずたに引き裂かれたように感じた!
その時、苦悩する魂に、まるで夢のように
恐ろしい亡霊の幻影が現れた!
手下どもと死刑! 母の青ざめた顔・・・
裸足で着衣も乱れ! 聞き覚えのある叫び声が聞こえる・・・「復讐して!」と
私は震える手をのばし犠牲者を掴むと
燃えさかる炎に向かって、引き寄せ押し込んだ
避けがたい狂気は終わり、恐ろしい景色も消え去った・・・
ただ炎だけが燃え上がり、犠牲者を焼き尽くす
私が辺りを見回すと、目の前に見えたのは
邪悪な伯爵の息子だった・・・
私の息子が
私の息子が焼け死んだのだ!
今でもまだ
髪の毛が逆立つのを感じる!

管理人コメント

迫力のアリアです。
ちょっと怖いくらいですね。
このアリアの後、物語りはアズチェーナの悲願である復讐へと進みます。

YouTube 動画

Vivien Shotwell の演奏です。