È la solita storia del pastore
Lamento di Federico フェデリーコの嘆き

< オペラのアリア

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『È la solita storia del pastore(Lamento di Federico フェデリーコの嘆き)』は1897年に初演されたフランチェスコ・チレアのオペラ『L'arlesiana アルルの女』の中のアリアです。

オペラ『アルルの女』

青年フェデリコの母ローザは彼が村の少女ヴィヴェッタと結婚することを望んでいるのに、フェデリコは「アルルの女」に夢中になっています。
ところが、いざフェデリコと「アルルの女」の結婚へと進もうという時に、彼女の恋人メティフィオが現れます。

アリア『È la solita storia del pastore』

タイトルを日本語にすると「羊飼いのよくある話」といった意味で、『Lamento di Federico フェデリーコの嘆き』とも呼ばれています。
「アルルの女」が実はメティフィオを愛していると知ったフェデリコが、失望し傷心の胸の内を歌います。

作曲

作曲者はイタリアの作曲家のフランチェスコ・チレア(Francesco Cilea, 1866–1950)です。
彼の代表作がオペラ『アルルの女』『アドリアーナ・ルクヴルール』です。

台本

台本はイタリアの劇詩人のレオポルド・マレンコ(Leopoldo Marenco, 1831–1899)により書かれました。

歌詞(イタリア語)

È la solita storia del pastore...
Il povero ragazzo voleva raccontarla
E s'addormì.
C'è nel sonno l'oblio.
Come l'invidio!
Anch'io vorrei dormir così,
nel sonno almen l'oblio trovar!
La pace sol cercando io vo'.
Vorrei poter tutto scordar!
Ma ogni sforzo è vano.
Davanti ho sempre di lei
il dolce sembiante.
La pace tolta è solo a me.
Perché degg'io tanto penar?
Lei! Sempre lei mi parla al cor!
Fatale vision, mi lascia!
Mi fai tanto male! Ahimè!

日本語訳

それは羊飼いのありふれた話
可哀そうな少年はその話を語りたく
て そして眠ってしまった
眠りの中には忘却がある
なんて羨ましい事だ
私もあんな風に眠りたい
せめて眠りによって忘れることができたら!
私は安らぎを求めているだけ
全てを忘れることを望んでいる
しかし、どんな努力も無駄だった
私の前にはずっと
彼女の優しい顔が見える
私の唯一の安らぎも除かれてしまった
どうして私はこれほどに苦しまなければならないのか?
彼女が! 彼女がいつも私の心に語りかけてくる
運命的な幻よ、私から離れてくれ!
お前は私をこれほどに苦しめる! ああ!

管理人コメント

オペラ『アルルの女』の特徴的なところは、作品のタイトルである「アルルの女」のキャラクターが一度も舞台に登場しないという点ですね。
主人公フェデリコが恋するアルル出身の魅力的な少女は、その姿を見せないままに物語の中で常に存在感を放っているというのが何とも新鮮で、観客の頭の中で想像されて実体化されるのでしょうね。
アリアは悲しくて美しいです。

YouTube 動画

Michael Fabiano の演奏です。