Elle a fui, la tourterelle
逃げてしまったの、雉鳥は

< オペラのアリア

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『Elle a fui, la tourterelle 逃げてしまったの、雉鳥は』は1881年に初演されたジャック・オッフェンバックのオペラ『Les Contes d'Hoffmann ホフマン物語』の中のアリアです。

オペラ『ホフマン物語』

月の夜の酒場、現れたミューズは詩人ホフマンの注意を引きつけて、他の全ての愛を捨てさせ、詩にその人生を捧げさせることを望んで、ホフマンの親友ニクラウスの姿で彼に近付きます。
ホフマンは歌姫ステラに恋していますが、公演後に会いたいというステラからの手紙はライバルのリンドルフに奪われてしまい、酒場で学生たちから求められて何れも実らなかった彼の恋愛話≪歌う人形オランピア≫≪瀕死の歌姫アントニア≫≪娼婦ジュリエッタ≫について語ります。
作者のオッフェンバックがオペラの未完(未公開)のまま他界してしまったため、このオペラには多くのバージョンが存在します。

アリア『逃げてしまったの、雉鳥は』

第二幕 ミュンヘンのクレスペルの家、ホフマンの恋人アントニアが父親のクレスペルと共に隠れ住んでいた家を、ようやくホフマンが見つけます。
母譲りの歌の才能を持っていながら、謎の病を抱えていたために父クレスペルから歌うことを禁じられているアントニアが、恋人が戻ってくることを願いながら歌います。
この物語はE.T.A.ホフマンによる中編小説『Rath Krespel クレスペルの鼠』により、アントニアは胸部の欠陥により天使のような歌声を持ちますが、歌うと死の危機にさらされます。

作曲

作曲者はドイツ生まれのフランスの作曲家、チェリスト、興行師のジャック・オッフェンバック(Jacques Offenbach, 1819–1880)です。
彼は100曲近くのオペレッタを残していて、特に『Orphée aux Enfers 地獄のオルフェ』は『天国と地獄』とも呼ばれて、彼の代表作となります。
オペラ『ホフマン物語』は彼の遺作となり、彼が他界してから4か月後に初演されました。

台本

台本はフランスの詩人、作家、オペラ台本作家のジュール・バルビエ(Paul Jules Barbier, 1825–1901)により書かれました。

歌詞(フランス語)

Elle a fui, la tourtelle!
Ah! souvenir trop doux!
Image trop cruelle!
Hélas! à mes genoux,
Je l'entends, je le vois!
Je l'entends, je le vois!

Elle a fui, la tourterelle,
Elle a fui loin de toi;
Mais elle est toujours fidèle
Et te garde sa foi.
Mon bienaimé, ma voix t'appelle,
Oui, tout mon coeur est à toi.

Chère fleur qui viens d'éclore
Par pitié réponds moi!
Toi qui sais s'il m'aime encore,
S'il me garde sa foi!
Mon bienaimé, ma voix t'implore,
Ah! que ton coeur vienne à moi.
Elle a fui, la tourterelle,
Elle a fui loin de toi.

管理人コメント

このお話には元になる物語りがあったというのがポイントですね。
そこを知らないとちょっと理解し難いです。
アリアはとても奇麗で、ストーリーからしても美しい声が求められるんでしょうね。

YouTube 動画

Esther Kouwenhoven の演奏です。