Largo al factotum わたしは町のなんでも屋

< オペラのアリア

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『Largo al factotum わたしは町のなんでも屋』は1816年に初演されたジョアキーノ・ロッシーニのオペラ『Il barbiere di Siviglia セビリアの理髪師』の中のアリアです。
オペラ『セビリアの理髪師』は、バルトロ老人から結婚を迫られている美しいロジーナと、彼女に恋をして貧しい学生リンドーロに扮して近づこうとするアルマヴィーヴァ伯爵、そして伯爵のために知恵を絞る理髪師フィガロの物語りです。

アリア『わたしは町のなんでも屋』は、タイトルをそのまま日本語にすると「雑用係に道を空けろ」といった意味合いで、フィガロが歌いながら登場します。

作曲

作曲者はイタリアの作曲家のジョアキーノ・ロッシーニ(Gioachino Antonio Rossini, 1792–1868)です。
ロッシーニは歌曲、室内楽、ピアノ曲、宗教音楽などの多くの作品を残しましたが、特に39作のオペラで名声を得ました。

台本

台本はイタリアの台本作家で文学者のチェーザレ・ステルビーニ(Cesare Sterbini, 1783–1831)により書かれました。

歌詞(イタリア語)

Largo al factotum della città.
Presto a bottega che l'alba è già.
Ah, che bel vivere, che bel piacere
per un barbiere di qualità!

Ah, bravo Figaro! Bravo, bravissimo!
Fortunatissimo per verità!

Pronto a far tutto, la notte e il giorno
sempre d'intorno in giro sta.
Miglior cuccagna per un barbiere,
vita più nobile, no, non si da.

Rasori e pettini, lancette e forbici,
al mio comando tutto qui sta.
V'è la risorsa, poi, del mestiere
colla donnetta ... col cavaliere ...

Tutti mi chiedono, tutti mi vogliono,
donne, ragazzi, vecchi, fanciulle:
Qua la parrucca ... Presto la barba ...
Qua la sanguigna ... Presto il biglietto ...
Figaro! Figaro! Figaro!, ecc.

Ahimè, che furia! Ahimè, che folla!
Uno alla volta, per carità!
Ehi, Figaro! Son qua.
Figaro qua, Figaro là,
Figaro su, Figaro giù.

Pronto prontissimo son come il fulmine:
sono il factotum della città.
Ah, bravo Figaro! Bravo, bravissimo;
a te fortuna non mancherà.
Sono il factotum della città!

日本語訳

町の何でも屋に、道を空けろ
店へ急げ、もう夜が明けるぞ
ああ、なんて素晴らしい人生、なんて素晴らしい喜びだ
一流の床屋には!

ああ、見事だフィガロ、本当に見事だ!
本当に運がいい!

夜でも昼でも、全ての仕事を素早くこなす
いつも周りを取り囲まれながら
床屋にとっては最高の極楽、私に高貴な人生など相応しくない

カミソリと櫛、ピンセットとハサミ
私の意のままに、全てここにある
これが商売の元だ
ご婦人に…紳士に…

誰もが私を求め、誰もが私を望んでいる
女性も、男の子も、お年寄りも、女の子も
こっちでカツラを…急いで髭を…
こっちでは血をとれだの…急いで番号札を…
フィガロ!フィガロ!フィガロ!

ああ、なんて大騒ぎ! ああ、なんて大勢が!
一度に一人ずつ、お願いだから!
おい、フィガロ! 私はここだ
フィガロはここに、フィガロはあっちに
フィガロは上に、フィガロは下に。

稲妻のように素早く
私は町の何でも屋さ
ああ、見事だフィガロ! 本当に見事だ
お前に幸運は事欠かない
私は町の何でも屋さ

管理人コメント

軽快でキャッチーなメロディーが素晴らしい。
いかにも何でも屋という雰囲気で、物語をけん引するパワーも感じられます。
明るく楽しいアリアです。

YouTube 動画

Andrey Zhilikhovsky の演奏です。