『Liebestod 愛の死』は1865年に初演されたリヒャルト・ワーグナーのオペラ『Tristan und Isolde トリスタンとイゾルデ』の中のアリアです。
作曲
作曲者はドイツの作曲家、演出家、随筆家、指揮者のリヒャルト・ワーグナー(Wilhelm Richard Wagner, 1813–1883)です。
彼は主にオペラ作品でその名を知られ、作曲だけでなく、ほとんどの台本を彼が単独で執筆しました。
またレチタティーヴォやアリアなどが独立して演奏されてきた従来のオペラを、途切れのない一つの音楽作品へと発展させ、詩的、視覚的、音楽的、そして劇的芸術を統合し、音楽をドラマに従属させるという独自の「総合芸術作品」構想によってオペラに革命をもたらしました。
歌詞(ドイツ語)
Mild und leise
wie er lächelt,
wie das Auge
hold er öffnet ---
Seht ihr's, Freunde?
Seht ihr's nicht?
Immer lichter
wie er leuchtet,
stern-umstrahlet
hoch sich hebt?
Seht ihr's nicht?
Wie das Herz ihm
mutig schwillt,
voll und hehr
im Busen ihm quillt?
Wie den Lippen,
wonnig mild,
süßer Atem
sanft entweht ---
Freunde! Seht!
Fühlt und seht ihr's nicht?
Hör ich nur diese Weise,
die so wundervoll und leise,
Wonne klagend,
alles sagend,
mild versöhnend
aus ihm tönend,
in mich dringet,
auf sich schwinget,
hold erhallend
um mich klinget?
Heller schallend,
mich umwallend ---
Sind es Wellen
sanfter Lüfte?
Sind es Wogen
wonniger Düfte?
Wie sie schwellen,
mich umrauschen,
soll ich atmen,
soll ich lauschen?
Soll ich schlürfen,
untertauchen?
Süß in Düften
mich verhauchen?
In dem wogenden Schwall,
in dem tönenden Schall,
in des Welt-Atems wehendem All ---
ertrinken,
versinken ---
unbewußt ---
höchste Lust!
日本語訳
穏やかに静かに
彼が微笑み
その瞳が
優しく開いているのが
皆さんに見えますか?
見えないのですか?
ますます光り輝いて
星の光に包まれて
空高く昇っていくのが
見えないのですか?
彼の心は
勇気に膨らみ
満ちて高く
彼の胸から溢れ出るのが?
その唇は
柔和な喜びに満ち
甘い息を
そっと漂う
皆さん! 見てください!
感じることも見ることも出来ないのですか?
この調べは私だけに聞こえるのでしょうか?
これほどに見事で
静かに喜びを訴え
全てを語り
穏やかになだめるように
鳴り響き
私の中に染みとおり
舞い上がって
優しく反響して
私の周りに響く
より明るい響きが
私を取り巻くのは
優しいそよ風の波だろうか?
それとも喜びの香りの波だろうか?
それが膨らんで
私の周りでざわめく
私は吸い込むべきだろうか?
耳を傾けるべきだろうか?
すすり飲むべきか
そこに浸るべきだろうか?
甘い香りの中で
消えていくべきなのだろうか?
押し寄せる大波の中で
響き渡る音の中で
世界の息吹になびくすべてに溺れ
浸り
我を忘れる
至高の喜びよ!
管理人コメント
まずまずに長いアリアなんですが、波が繰り返し訪れては聴く者を包み込みそして陶酔へと誘う、とても魅力的な歌です。
この音楽の世界に、一度浸ってみるのも良いですね。