Mein lieber Schwan
愛する白鳥よ

< オペラのアリア

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『Mein lieber Schwan 愛する白鳥よ』は1850年に初演されたリヒャルト・ワーグナーのオペラ『Lohengrin ローエングリン』の中のアリアです。

オペラ『ローエングリン』

このオペラは「白鳥の騎士伝説」に基いたものです。
925年から933年までの間のベルギーのアントワープ、ハインリヒ王が戦いのために兵を募っていると、そこへフリードリヒ伯爵が現れ、ブラバント公国の世継ぎゴットフリートが行方不明になり、ゴットフリートの姉エルザに弟殺しの疑いがあると王に訴えます。
エルザは、神に遣わされた騎士が現れて自分の身の潔白を証明するために戦うと予言します。

アリア『愛する白鳥よ』

第三幕 河畔、白鳥が曳く小舟に乗って現れた騎士ローエングリンは、自分の身元や名前を尋ねないことを条件にエルザのために戦いますが、フリードリヒ伯爵の企みでエルザがローエングリンに素性を尋ねてしまいます。
約束が破られたローエングリンは、角笛と刀と指輪をエルザに渡して別れを歌います。

作曲

作曲者はドイツの作曲家、演出家、随筆家、指揮者のリヒャルト・ワーグナー(Wilhelm Richard Wagner, 1813–1883)です。
彼は主にオペラ作品でその名を知られ、作曲だけでなく、ほとんどの台本を彼が単独で執筆しました。
またレチタティーヴォやアリアなどが独立して演奏されてきた従来のオペラを、途切れのない一つの音楽作品へと発展させ、詩的、視覚的、音楽的、そして劇的芸術を統合し、音楽をドラマに従属させるという独自の「総合芸術作品」構想によってオペラに革命をもたらしました。

台本

台本もリヒャルト・ワーグナーにより書かれました。

歌詞(ドイツ語)

Mein lieber Schwan!
Ach, diese letzte, traur'ge Fahrt,
wie gern hätt' ich sie dir erspart!
In einem Jahr, wenn deine Zeit
im Dienst zu Ende sollte gehn -
dann, durch des Grales Macht befreit,
wollt' ich dich anders wieder sehn!
O Elsa! Nur ein Jahr an deiner Seite
hatt' ich als Zeuge deines Glücks ersehnt!
Dann kehrte, selig in des Grals Geleite,
dein Bruder wieder, den du tot gewähnt.
Kommt er dann heim, wenn ich ihm fern im Leben,
dies Horn, dies Schwert, den Ring sollst du ihm geben.
Dies Horn soll in Gefahr ihm Hilfe schenken,
in wildem Kampf dies Schwert ihm Sieg verleiht;
doch bei dem Ringe soll er mein gedenken,
der einst auch dich aus Schmach und Not befreit!
Leb wohl! Leb wohl! Leb wohl, mein süßes Weib!
Leb wohl! Mir zürnt der Gral, wenn ich noch bleib!
Leb wohl, leb wohl!

管理人コメント

とても穏やかに柔らかく始まり、中盤で一気に昂る、美しいバリトンのアリアです。
物語は最後にローエングリンが去り、エルザは死にます。
どうもこのエンディングには異論もあったようで、ハッピーエンドのパターンなども検討されたようです。

YouTube 動画

Michael Spyres の演奏です。