Mi tradi quell'alma ingrata
あの恩知らずは約束を破って

< オペラのアリア

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『Mi tradi quell'alma ingrata あの恩知らずは約束を破って』は1787年に初演されたヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトのオペラ『Don Giovanni ドン・ジョヴァンニ』の中のアリアです。

オペラ『ドン・ジョバンニ』

傲慢で女たらしの貴族ドン・ジョバンニが、騎士長の娘ドンナ・アンナを誘惑しようとして邸宅に侵入し、父親の騎士長に見つかって彼を刺し殺してしまいます。

アリア『あの恩知らずは約束を破って』

第二幕 暗い中庭、ドン・ジョバンニはかつての恋人ドンナ・エルヴィーラの女中を誘惑しようと企み、従者のレポレッロに、ドンナ・エルヴィーラを連れ出させます。
ドンナ・エルヴィーラはドン・ジョバンニの企てに気づいて、彼の裏切りに憤慨し、同時に彼を哀れんで歌います。

作曲

作曲者はオーストリアの音楽家ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト(Wolfgang Amadeus Mozart, 1756-1791)です。
誰もが知るウィーン古典派を代表する作曲家です。
モーツァルトが作曲した曲は、断片を含めると900曲以上に及び、声楽曲も器楽曲も多数残されています。
モーツァルトの作品はケッヘル番号と呼ばれる「K. + 数字」で整理されていて、オペラ『ドン・ジョヴァンニ』は K.527 になります。

台本

台本はイタリア出身で後にアメリカのオペラ台本作家、詩人、カトリック教会の司祭であったロレンツォ・ダ・ポンテ(Lorenzo Da Ponte, 本名:Emanuele Conegliano, 1749–1838)により書かれました。
彼が書いた台本の中にはモーツァルトのオペラ『フィガロの結婚』『ドン・ジョヴァンニ』『コジ・ファン・トゥッテ』が含まれます。

歌詞(イタリア語)

In quali eccessi, o Numi, in quai misfatti
orribili, tremendi
è avvolto il sciagurato!
Ah no! non puote tardar l'ira del cielo,
la giustizia tardar. Sentir già parmi
la fatale saetta,
che gli piomba sul capo! Aperto veggio
il baratro mortal! Misera Elvira!
Che contrasto d'affetti, in sen ti nasce!
Perchè questi sospiri? e queste ambascie?

Mi tradì, quell'alma ingrata,
Infelice, o Dio, mi fa.
Ma tradita e abbandonata,
Provo ancor per lui pietà.
Quando sento il mio tormento,
Di vendetta il cor favella,
Ma se guardo il suo cimento,
Palpitando il cor mi va.

管理人コメント

エルヴィーラの怒りで始まりますが、次第に哀しみの色が濃くなります。
エルヴィーラの心の中にはドン・ジョヴァンニへの想いが残っているのでしょうね。

YouTube 動画

Sophia Hunt の演奏です。