Ombra mai fu オンブラ・マイ・フ

< オペラのアリア

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『Ombra mai fu オンブラ・マイ・フ』は1738年に初演されたゲオルク・フリードリヒ・ヘンデルのオペラ『Serse セルセ』の中のアリアです。
オペラ『セルセ』は紀元前470年頃のペルシア(現在のイラン)を舞台とした物語りで、王セルセが将軍の娘ロミルダを見初めたのですが、ロミルダはセルセの弟アルサメネと密かに愛し合っていたことから騒動に発展します。

アリア『オンブラ・マイ・フ』は、オペラの冒頭に王セルセがプラタナスの木に向かって歌います。
アリアのタイトルは『ヘンデルのラルゴ』とも呼ばれますが、元のテンポはラルゲットの指示になっています。

作曲

作曲者はドイツ出身のバロック作曲家ゲオルク・フリードリヒ・ヘンデル(Georg Friedrich Händel, 1685–1759)です。
ヘンデルは42のオペラと25のオラトリオ(『メサイア』など)を含め、当時のほぼ全ての音楽ジャンルの曲を残しています。

台本

このオペラの台本は、イタリアの詩人で台本作家のニコロ・ミナト(Count Nicolò Minato, c.1627-1698)の台本に基き、同じくイタリアの詩人で台本作家のシルヴィオ・スタンピーリア(Silvio Stampiglia, 1664-1725)により書かれたものを、作者不明の人物により翻案されたものです。

歌詞(イタリア語)

Ombra mai fu
di vegetabile,
cara ed amabile,
soave più

管理人コメント

この曲はキャスリーン・バトルが歌ったのが有名ですよね。
とても美しいアリアです。
ただ、この曲を王セルセが歌うというのが違和感なんですが、実はヘンデルの他の作品も主要な男性役が女声で歌われていたらしく、このアリアはメゾソプラノのカストラートが歌ったようです。

YouTube 動画

Sara Mingardo の演奏です。