S'altro che lagrime
涙以外のことを

< オペラのアリア

写真

概要

『S'altro che lagrime 涙以外のことを』は1791年に初演されたヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトのオペラ『La clemenza di Tito 皇帝ティートの慈悲』の中のアリアです。

オペラ『皇帝ティートの慈悲』

西暦79年の古代ローマ、先帝ヴィテッリオの娘ヴィテッリアは現ローマ皇帝ティートへの復讐に燃えながらも、自らがティートの妃になることを望んでいます。
ティートはキリキアの王女ベレニーチェを妃に迎えようとしていましたが、ベレニーチェを送り返して、友人セストの妹であるセルヴィリアを妃にすると告げます。
これを聞いたヴィテッリアは嫉妬し、ヴィテッリアに思いを寄せるセストにティートを暗殺するように仕向けます。

アリア『涙以外のことを』

第二幕、ヴィテッリアにそそのかされて皇帝ティートの暗殺を試みるも失敗したセストは、捕らえられて死刑をまつ身となります。
セストの妹セルヴィリアは、罪悪感に苛まれるヴィテッリアに対して、涙だけではセストの命は救えないと歌います。

作曲

作曲者はオーストリアの音楽家ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト(Wolfgang Amadeus Mozart, 1756-1791)です。 誰もが知るウィーン古典派を代表する作曲家です。 モーツァルトが作曲した曲は、断片を含めると900曲以上に及び、声楽曲も器楽曲も多数残されています。 モーツァルトの作品はケッヘル番号と呼ばれる「K. + 数字」で整理されていて、オペラ『皇帝ティートの慈悲』は K. 621 になります。

台本

台本はイタリアの詩人、台本作家であったピエトロ・メタスタージオ(Pietro Metastasio, 本名 Pietro Antonio Domenico Trapassi, 1698–1782)の台本に基づき、イタリアの詩人、台本作家であったカテリーノ・マッツォラ(Caterino Tommaso Mazzolà, 1745–1806 )により書かれました。

歌詞(イタリア語)

S'altro che lacrime
Per lui non tenti,
Tutto il tuo piangere
Non giovera.

A questa inutile
Pieta che senti,
Oh quanto e simile
La crudelta.

日本語訳

涙の他に
彼のために試してみないのなら
あなたの涙はまったく
何の役にも立たない

あなたが感じる
この無用な憐みの心は
ああ、残忍さと
なんと似ていることか

管理人コメント

思っていたイメージと少し違って、とても美しいアリアです。
セルヴィリアがヴィテッリアを激しく責め立てるのではなく、柔らかく深い愛の中からアリアが歌われているようで、とても感動的です。

YouTube 動画

Regula Mühlemann の演奏です。