Una voce poco fa
今の歌声は

< オペラのアリア

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『Una voce poco fa 今の歌声は』は1816年に初演されたジョアキーノ・ロッシーニのオペラ『Il barbiere di Siviglia セビリアの理髪師』の中のアリア(カヴァティーナ)です。

オペラ『セビリアの理髪師』

『セビリアの理髪師』は、続く『フィガロの結婚』『罪ある母』と共に「フィガロ三部作」と呼ばれる戯曲の第1部で、他の2作はモーツァルトなどによりオペラ化されています。
17世紀のスペインはセビリア、医師で後見人でもあるバルトロ老人から結婚を迫られている美しいロジーナ、彼女に恋をしたアルマヴィーヴァ伯爵は貧しい学生リンドーロに扮して彼女に近づこうとします。
かつて伯爵の召使だった理髪師フィガロは、伯爵に頼まれて二人の仲を取り持つために知恵を絞ります。

アリア(カヴァティーナ)『今の歌声は』

第一幕 バルトロ邸の部屋、貧しい学生リンドーロに扮した伯爵に惹かれたロジーナが、彼と結ばれるための策を練りながら歌います。

作曲

作曲者はイタリアの作曲家のジョアキーノ・ロッシーニ(Gioachino Antonio Rossini, 1792–1868)です。
ロッシーニは歌曲、室内楽、ピアノ曲、宗教音楽などの多くの作品を残しましたが、特に39作のオペラで名声を得ました。

台本

台本はイタリアの台本作家で文学者のチェーザレ・ステルビーニ(Cesare Sterbini, 1783–1831)により書かれました。

歌詞(イタリア語)

Una voce poco fa
Qui nel cor mi risuonò.
Il mio cor ferito è già
E Lindor fu che il piagò.

Sì, Lindoro mio sarà;
Lo giurai, la vincerò.

Il tutor ricuserà,
Io l′ingegno aguzzerò;
Alla fin s'accheterà
E contenta io resterò

Io sono docile,
Son rispettosa,
Sono obbediente,
Dolce, amorosa,
Mi lascio reggere,
Mi fo guidar.

Ma se mi toccano
Dov′è il mio debole,
Sarò una vipera, sarò,
E cento trappole
Prima di cedere
Farò giocar.

管理人コメント

とても素敵で楽しい曲ですね。
途中でちょっと意地悪そうな顔をする演出(動画によって表情さまざま)も面白いです。
この曲を歌うロジーナはコントラルト(資料によってはメゾソプラノ)の指示なんですね。
ちょっと意外な感じもします。

YouTube 動画

Catherine Trottmann の演奏です。