『Weiche, Wotan! Weiche! 逃れよ、ヴォータン』は1869年に初演されたリヒャルト・ワーグナーのオペラ『Das Rheingold ラインの黄金』の中のアリアです。
ライン河の河底、ニーベルング族のアルベリヒは黄金を守る三人の乙女たちに言い寄りますが嘲弄され、愛を捨てる代わりに「世界を支配する指環を造ることができる」黄金を盗み出します。
一方で神々の長ヴォータンは巨人族に居城「ヴァルハラ」を造らせ、その代償として女神フライアを与える約束をしたのですが、フライアを手放したくないヴォータンは、代わりにニーベルング族の財宝とラインの黄金を与えるべく、地下へと降りていきます。
作曲
作曲者はドイツの作曲家、演出家、随筆家、指揮者のリヒャルト・ワーグナー(Wilhelm Richard Wagner, 1813–1883)です。
彼は主にオペラ作品でその名を知られ、作曲だけでなく、ほとんどの台本を彼が単独で執筆しました。
またレチタティーヴォやアリアなどが独立して演奏されてきた従来のオペラを、途切れのない一つの音楽作品へと発展させ、詩的、視覚的、音楽的、そして劇的芸術を統合し、音楽をドラマに従属させるという独自の「総合芸術作品」構想によってオペラに革命をもたらしました。
歌詞(ドイツ語)
ERDA:
Weiche, Wotan, weiche!
Flieh des Ringes Fluch!
Rettungslos dunklem Verderben
weiht dich sein Gewinn.
WOTAN:
Wer bist du, mahnendes Weib?
ERDA:
Wie alles war, weiss ich;
wie alles wird, wie alles sein wird,
seh' ich auch:
der ew'gen Welt Ur-Wala,
Erda, mahnt deinen Mut. Drei der Töchter,
ur-erschaffne, gebar mein Schoss:
was ich sehe, sagen dir nächtlich die Nornen.
Doch höchste Gefahr führt mich heut
selbst zu dir her:
Höre! Höre! Höre!
Alles, was ist, endet.
Ein düstrer Tag dämmert den Göttern:
dir rat' ich, meide den Ring!
WOTAN:
Geheimnis-hehr
hallt mir dein Wort:
weile, dass mehr ich wisse!
ERDA:
Ich warnte dich, du weisst genug:
sinn in Sorg' und Furcht!
日本語訳
エルダ:
離れよ、ヴォータン、離れよ!
指環の呪いから逃れよ!
絶望的な暗い破滅に
あなたは身を捧げることになる
ヴォータン:
忠告をする女、お前は何者だ?
エルダ:
私はすべての過去を知り
すべての今と、すべての未来すらも
私には見える
永久の世の太古の預言者エルダが
あなたの勇気に忠告する
世の始まりに三人の娘が私の母胎から生まれた
私に見えたことは、その運命の女神(ノルン)たちが夜にあなたに告げる
しかし今日、恐るべき危機のために
わたし自らがここに導かれた
聞きなさい! 聞きなさい! 聞きなさい!
存在する全てのものが終わる
神々にとって暗い時代が近づいている
私は忠告する、その指輪を避けよ!
ヴォータン:
貴き神秘
おまえの言葉が私に鳴り響く
まて、もっと私に知らせよ
エルダ:
私は警告した、あなたは十分に知った
悩みと恐れのうちに深く考えよ!
管理人コメント
原初の預言者エルダが現れてヴォータンを諫める、恐ろしげな雰囲気の中で歌われるアリアですね。
アリア単体でなくて前後のヴォータンとの掛け合いも面白いです。