Winterstürme wichen dem Wonnemond
冬の嵐は過ぎ去り
≪春と愛の歌≫

< オペラのアリア

写真

概要

『Winterstürme wichen dem Wonnemond 冬の嵐は過ぎ去り』は1870年に初演されたリヒャルト・ワーグナーのオペラ『Die Walküre ワルキューレ』の中のアリアです。

オペラ『ワルキューレ』

このオペラは『Der Ring des Nibelungen ニーベルングの指環』四部作、
 序夜 『ラインの黄金』
 第1日『ワルキューレ』
 第2日『ジークフリート』
 第3日『神々の黄昏』
の2番目になり、それぞれに独立して上演できますが、全てを通して上演すると約15時間を要する長大な物語です。
神々の長ヴォータンと人間の間の子ジークムントは、嵐の中を敵対する部族のフンディングの館と知らずに逃れます。
そこで出会ったフンディングの妻ジークリンデと強く惹かれあい、フンディングに眠り薬を飲ませて二人は逃亡します。
神々の長ヴォータンは、娘のヴァルキューレの一人であるブリュンヒルデに、ジークムントに死をもたらすよう命じます。

アリア『冬の嵐は過ぎ去り』

第一幕 フンディングの館、ジークムントとジークリンデが出会ったところに、彼女の夫のフンディングが帰ってきて、今夜は客人としてもてなすが、翌朝には決闘すると告げます。
フンディングに眠り薬を飲ませてジークムントを逃がそうとするジークリンデに、ジークムントが愛を歌います。

作曲

作曲者はドイツの作曲家、演出家、随筆家、指揮者のリヒャルト・ワーグナー(Wilhelm Richard Wagner, 1813–1883)です。
彼は主にオペラ作品でその名を知られ、作曲だけでなく、ほとんどの台本を彼が単独で執筆しました。
またレチタティーヴォやアリアなどが独立して演奏されてきた従来のオペラを、途切れのない一つの音楽作品へと発展させ、詩的、視覚的、音楽的、そして劇的芸術を統合し、音楽をドラマに従属させるという独自の「総合芸術作品」構想によってオペラに革命をもたらしました。

台本

台本もリヒャルト・ワーグナーにより書かれました。

歌詞(ドイツ語)

Winterstürme wichen dem Wonnemond,
in mildem Lichte leuchtet der Lenz;
auf linden Lüften leicht und lieblich,
Wunder webend er sich wiegt;
durch Wald und Auen weht sein Atem,
weit geöffnet lacht sein Aug': -
aus sel'ger Vöglein Sange süß er tönt,
holde Düfte haucht er aus;
seinem warmen Blut entblühen wonnige Blumen,
Keim und Sproß entspringt seiner Kraft.
Mit zarter Waffen Zier bezwingt er die Welt;
Winter und Sturm wichen der starken Wehr:
wohl mußte den tapfern Streichen
die strenge Türe auch weichen,
die trotzig und starr uns trennte von ihm. -
Zu seiner Schwester schwang er sich her;
die Liebe lockte den Lenz:
in unsrem Busen barg sie sich tief;
nun lacht sie selig dem Licht.
Die bräutliche Schwester befreite der Bruder;
zertrümmert liegt, was je sie getrennt:
jauchzend grüßt sich das junge Paar:
vereint sind Liebe und Lenz!

日本語訳

冬の嵐は至福の月に退き
穏やかな光の中に春が輝く
優しく甘いそよ風にのって
それは奇跡を織りなすように揺れる
その息吹きは森や草原をぬけ
その瞳は大きく開かれてほほえむ
小鳥たちの喜びの歌声が甘くひびき
春は心地よい香りを放つ
その温かい血潮は可愛らしい花を咲かせ
その力によって新芽が芽吹く
春は優しい武器で世界を征服する
冬も嵐もこの強力な抵抗に退けられた
春の勇ましい一撃に
硬く頑固に我々を引き離そうとする
頑強な扉も消え去った
彼は妹のもとへ向かい
愛が春を誘いよせ
その胸に深く身をしずめた
今や、至福の光の中で微笑む
兄は花嫁である妹を自由にした
二人を隔てていたものは粉々に砕け散った
若い二人は喜びにあふれて挨拶を交わす
愛と春は結び付いた

管理人コメント

愛を語る美しいアリアです。
このオペラで最も有名な曲は、やはり『ヴァルキューレの騎行』でしょうか。
映画で使われて、有名になりましたよね。

YouTube 動画

Klaus Florian Vogt の演奏です。