5月生まれの作曲家を紹介
5月生まれの作曲家はワーグナー、ブラームス、チャイコフスキー、フォーレが挙げられます。

フルネームはヴィルヘルム・リヒャルト・ワーグナー(独: Wilhelm Richard Wagner)、1813年5月22日にドイツのライプツィヒで生まれた作曲家です。
ワーグナーは楽劇の創始者として楽劇王と呼ばれ、優れたオペラ・楽劇を残しているのですが、彼の場合は作曲だけでなく台本の執筆も自身で行ったところが特徴的です。
オペラ『タンホイザー』の中の『タンホイザー行進曲』は有名ですよね。
それから楽劇『ニーベルングの指環』も話題にすべき重要な作品です。
この作品は独立した四つの楽劇からなる連作で、トータル15時間を要する長大な作品を4夜連続で上演するという途方もないものです。
世界を支配する力を持つ指輪をめぐって、神と英雄、それから神話上の生き物が争う物語なんですが、とくに有名な曲は二作目の『ワルキューレ』に使われる『ワルキューレの騎行』ですね。
映画やCMなどでよく使われていますので、聞いた事があると思います。

フルネームはヨハネス・ブラームス(独: Johannes Brahms)、1833年5月7日にドイツのハンブルクで生まれた作曲家・ピアニスト・指揮者です。
バッハ、ベートーベンと共にドイツ音楽における三大Bと称されます。
有名な曲としては『交響曲第1番 ハ短調』や『ハンガリー舞曲』などでしょうか。
『ハンガリー舞曲』は最初はピアノ連弾のために書かれ、後にオーケストラ用に編曲されています。
ヴァイオリニストのレメーニの伴奏者としてドイツ各地に演奏旅行を行った際、レメーニからジプシー音楽(ロマの民族音楽)を教えられ、その旋律をもとにして『ハンガリー舞曲』を作曲したそうです。
エキゾチックな旋律がとても魅力的です。

フルネームはピョートル・イリイチ・チャイコフスキー(露: Пётр Ильич Чайковский)、1840年5月7日にロシアのヴォトキンスクで生まれた作曲家です。
クラシック音楽の中でも人気の高い音楽家であり、特に後期の交響曲やバレエ音楽・協奏曲などが愛好されています。
法律学校を卒業して法務省の文官として働き始めたチャイコフスキーは、働きながら音楽を学び続けて23歳で音楽家の道に専念したので、他の高名な作曲家に比べるとやや遅いスタートでしょうか。
特に有名な作品は、『ピアノ協奏曲第1番(作品23)』や、バレエ音楽の『白鳥の湖』『眠れる森の美女』『くるみ割り人形』などでしょう。
『白鳥の湖』は悪魔の呪いで白鳥に姿を変えられた王女オデットと、王子ジークフリートとの悲恋を描いた物語で、クラシック・バレエを代表する作品ですね。

フルネームはガブリエル・ユルバン・フォーレ(仏: Gabriel Urbain Fauré)、1845年5月12日にフランスのパミエに生まれた作曲家であり、オルガニスト、ピアニスト、そして教育者です。
温厚、誠実、謙虚な性格として知られるフォーレ、有名な曲では歌曲の『夢のあとに』『月の光』、合唱曲の『ラシーヌ讃歌』『レクイエム』、特によく知られている『シシリエンヌ』などでしょう。
『シシリエンヌ』は『シチリアーノ』とも呼ばれ「シチリア風に」といった意味で、後期ルネサンスからバロック時代に流行した牧歌的で独特のリズムが特徴の音楽で、ゆるやかな8分の6拍子か8分の12拍子で作曲されます。
このバロック時代の要素を作品に取り入れて新しい響きを生みだそうとした、フォーレの時代の作曲家たちの努力の中で生まれました。